こんばんは、ギター教室の千晃です。
今日はブルースファンクセッションへ行くとよく演奏されている曲、ハービーハンコックの「Cantaloupe Island」について考察してみたいと思います。
普段は一発モノやブルース系ばかりのセットリストなのに、この曲だけ毛色が違うのです。ファンクではあるけどブルースでもない。素朴な疑問です。(京都のセッション界隈だけなのか?)
概要
ジャズファンクのような曲で、登場するコードはたったの3つ。テンションの響きが独自な曲ですね。
モーダルな感じというか、トーナルがはっきりしないモード的ジャズナンバー。
変調感が常に続いていますが、曲中で最も多く鳴っているコードはFm7。とりあえずはF minor キーと捉えておきます。
次にD♭7というコード。普通に考えると♭Ⅵ7。ノンダイアトニックです。♭Ⅵ△7の変化和音というか、不思議なサウンドです。
これはおそらくⅡ7の裏コード。なのでG7の代理コードですね。スケールはリディアン♭7th等。そしてなんとなくブルージー、F-Bluesペンタ(Fmペンタ)も可能です。
ここからはちょっとひねくれた発想。
D♭7を「Fm7(♭5)/D♭」というオンコードと捉えてみると、大きな和音の流れは「Fm7→Fm7(♭5)」となり、アドリブ時にシンプルに捉えやすくなります。
3つ目のDm7は唐突な転調でしょうか?Fm7へ戻る終止感も感じます。これも先ほどの発想と同じように「F/D」と捉えてみる。
すると、
「Fm7→Fm7(♭5)/D♭→F/D」
と超、拡大解釈できます。
これを簡略的にアドリブ演奏をしようとした場合、
Fm7→Fmペンタ
Fm7(♭5)/D♭→F-Bluesペンタ+♭5
F/D→F-Bluesペンタ(Fmペンタ)
とすることが出来、ほぼ一発で弾けてしまうのでセッションでは人気なんですね。
合理的でいいと思うし、現にテーマは一貫してペンタトニックメロディであります。
捉え方は人それぞれ、明確な答えはこの手のジャンルにはありませんね。
なんとなくブルージーに聴こえたのもちょっと納得できた。