Crossroads/Cream 奏法解説。

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ギター教室の福原です。

以下で配信中のCream「Crossroads」のギター奏法解説となります。

※オリジナルギタースコアの内容に沿っていますので、他社スコアに対応していません。セクションナンバーや小節数、表記の説明に差異が出る場合があります。

Crossroads(クロスロード)/ギタースコア(TAB譜)

難易度

他の曲はこちらから。


原作者は偉大なるロバートジョンソンで、現在はパブリックドメインになっており様々なアーティストにカバーされています。約50バージョンもあるようです。その中でも有名な「Cream」のライブバージョンの奏法を見ていきます。


概要

スタンダードな12小節ブルースの進行ですが、12小節目はA7のままです。また、前半はテンポ約128で始まりますが後半のソロ部分になると135近くまで速くなりますので後半の方が難しく感じるかもしれませんね。


イントロ〜「A」セクション

イントロ5小節目D7箇所など、左手の運指はタブ番号を順に追っかけるように押さえながら弾くのではなく、コードフォームを押さえ込んでから「アルペジオ」で弾きます。「let ring-」の表記はアルペジオを意味しています。

音源通りに採譜したため、何度も出てくるA7時のリフパターンに規則性がありません。ブリッジミュート、ビブラート、レガート指定(h.p.s.)短かい音はスタッカートで表示しています。

この通りに弾いてみればニュアンス違いの音の出し方が習得できますが、一番弾きやすい小節のパターンである程度統一させても良いでしょう。

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セッション定番曲の Cantaloupe Island。

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こんばんは、ギター教室の千晃です。

今日はブルースファンクセッションへ行くとよく演奏されている曲、ハービーハンコックの「Cantaloupe Island」について考察してみたいと思います。

普段は一発モノやブルース系ばかりのセットリストなのに、この曲だけ毛色が違うのです。ファンクではあるけどブルースでもない。素朴な疑問です。(京都のセッション界隈だけなのか?)

Herbie Hancock - Cantaloupe Island

Herbie Hancock – Cantaloupe Island


概要

ジャズファンクのような曲で、登場するコードはたったの3つ。テンションの響きが独自な曲ですね。
モーダルな感じというか、トーナルがはっきりしないモード的ジャズナンバー。

変調感が常に続いていますが、曲中で最も多く鳴っているコードはFm7。とりあえずはF minor キーと捉えておきます。

次にD♭7というコード。普通に考えると♭Ⅵ7。ノンダイアトニックです。♭Ⅵ△7の変化和音というか、不思議なサウンドです。

これはおそらくⅡ7の裏コード。なのでG7の代理コードですね。スケールはリディアン♭7th等。そしてなんとなくブルージー、F-Bluesペンタ(Fmペンタ)も可能です。


ここからはちょっとひねくれた発想。
D♭7を「Fm7(♭5)/D♭」というオンコードと捉えてみると、大きな和音の流れは「Fm7→Fm7(♭5)」となり、アドリブ時にシンプルに捉えやすくなります。

3つ目のDm7は唐突な転調でしょうか?Fm7へ戻る終止感も感じます。これも先ほどの発想と同じように「F/D」と捉えてみる。

すると、

「Fm7→Fm7(♭5)/D♭→F/D」

と超、拡大解釈できます。

これを簡略的にアドリブ演奏をしようとした場合、

Fm7→Fmペンタ
Fm7(♭5)/D♭→F-Bluesペンタ+♭5
F/D→F-Bluesペンタ(Fmペンタ)

とすることが出来、ほぼ一発で弾けてしまうのでセッションでは人気なんですね。

合理的でいいと思うし、現にテーマは一貫してペンタトニックメロディであります。

捉え方は人それぞれ、明確な答えはこの手のジャンルにはありませんね。
なんとなくブルージーに聴こえたのもちょっと納得できた。

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